駐日カナダ大使のメッセージ - カナダデーに寄せて
2024年7月1日
日加修好95周年 - 強く、未来を志向して
今年のカナダデーは、カナダと日本にとって重要な節目にあたります。両国の結びつきは古くからありましたが、95年前の1929年、カナダは日本に公使館を開設し、外交関係が正式に樹立されました。今日、日加関係は政治、防衛、貿易と投資、科学技術、環境、そして人々のつながりなど、幅広い分野で発展を続けています。
95年にわたる日加修好の中で、両国の関係はかつてないほど重要なものになっています。「自由で開かれたインド太平洋に資する日加アクションプラン」は、両国が法の支配、経済成長、エネルギー安全保障、生物多様性、気候変動対策を推進するため、様々な施策で協力することを約束したもので、日本はカナダのインド太平洋戦略の中で中心的な位置を占めています。
防衛の分野では、カナダがインド太平洋への関与を深めていることに伴って両国が連携する機会が増え、昨年はカナダ海軍の艦船3隻が日本に同時寄港しました。2024年も艦船の派遣と寄港により、カナダ海軍と海上自衛隊が他のパートナー国や同盟国も加えた共同演習を実施しています。さらに、カナダ空軍、カナダ陸軍、カナダ特殊作戦軍司令部も、それぞれ日本の対応部門との連携を深めています。女性・平和・安全保障(WPS)、サイバー、宇宙などに関する協力と情報共有も拡大を続けています。また、カナダは国際的な漁業規約を遵守し、日本との協力のもと北太平洋での違法・無報告・無規制漁業の取締りを強化しています。
カナダと日本の経済は相互補完的であり、通商は非常に活発です。カナダが今年議長国である「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)」では、成立当初からの加盟国として協力しています。両国はルールに基づく実効的な国際貿易システムに支えられ、重要鉱物や先端技術等を含め多くの領域において、強靭で安全、かつ持続可能なサプライチェーンの構築に取り組んでいます。
修好95周年を祝うにあたり将来にも目を向けると、日加関係は急速に拡大しています。科学技術分野でのパートナーシップは安定して力強く、両国の研究者や企業は、よりクリーンで持続可能なエネルギーの探求から、AI革命を支えるより高性能な半導体の開発まで、世界が直面する重要な課題に協力して取り組んでいます。カナダから幅広い分野の代表団が日本を訪問し、安全保障、貿易、環境、教育、文化などで将来の連携の可能性を探るとともに、2025年大阪・関西万博では魅力あふれるカナダを紹介し、記憶に残るカナダパビリオンを届けるため、日本と共に準備を進めています。
地政学、経済、環境を取り巻く状況がますます困難になる中で、カナダと日本はこれまで築いてきた堅固な基盤に支えられ、協力を強化しています。トルドー首相と岸田首相は昨年の会談で、民主主義を守り、人権を促進し、ルールに基づく国際秩序を維持していくことで合意し、2025年にカナダが議長国を務めるG7をはじめ様々な機会に、協力してグローバルな課題に取り組む決意を再確認しました。
カナダと日本は最良のパートナーです。二国間の協力の枠組みは、共通の価値観や優先事項、そして共有する次世代へのビジョンを明確に示しています。修好95周年を祝うにあたり、私は両国が共に歩んできた軌跡を称えると同時に、未来への限りない可能性に大きな期待を寄せています。
ハッピー・カナダデー!
駐日カナダ大使
イアン・マッケイ
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