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日加関係

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二国間関係

カナダと日本の関係は、政治、経済、文化の結び付きを基盤に、共通の価値観と関心によってより強いものとなっています。カナダと日本は、1928年に日本がオタワに公使館を開設して以来、外交関係の長い歴史を築いてきました。1929年5月21日にはカナダが東京に公使館を開設し、日加間の修好が正式に樹立されました。

カナダと日本は、ルールに基づく国際秩序を促進するために協力し、二国間のパートナーシップを深めるよう努めています。2021年5月には、両国の外務大臣が自由で開かれたインド太平洋地域に資する6つの優先分野で協力していくことで合意しました。この6つの優先分野とは、1)法の支配、2)平和維持活動、平和構築及び人道支援・災害救援、3)健康安全保障及び新型コロナウイルス感染症への対応、4)エネルギー安全保障、5)自由貿易の促進及び貿易協定の実施、6)環境及び気候変動です。2022年10月には、ジョリー外務大臣と林外務大臣は6つの優先分野を着実に推進していくことで一致し、「自由で開かれたインド太平洋に資する日加アクションプラン」を発表しました。これらの優先分野は、カナダのインド太平洋戦略の目的と密接に連携しています。

カナダと日本は、ルールに基づく多国間体制を支援する強い同盟関係にあります。現在進められている世界貿易機構(WTO)を改革するための取組みでは、カナダが主導する「WTO改革に関するオタワグループ」の活動などを通じた重要なパートナーです。また、両国は国連、G7、G20などの国際機関や多国間フォーラムでも、新型コロナウイルスのパンデミックやロシアのウクライナ侵略をはじめとするグローバルな課題への対策を講じるために緊密に連携しています。

カナダと日本の議員による定期的な交流も、日加関係の重要な柱です。カナダ日本国会議員連盟と日本の国会議員による日本カナダ友好議員連盟は、1989年から定期的に会合を行っています。

カナダと日本は、文化や人と人とのつながりでも豊かな交流を行っています。カナダには約13万人の日系の人々が暮らしています(2021年国勢調査)。新型コロナウイルスの感染拡大以前は、年間約60万人が互いの国を訪れていました。カナダに日本のマンガやアニメのファンが数多くいる一方、日本でもカナダのアーティストが高い人気を集めています。人と人とのつながりでは、日加間には25の友好協会、71組の姉妹都市提携(うち1組はアルバータ州と北海道による提携)があり、またラグビーワールドカップ2019や2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会でのスポーツ外交を通じて結ばれた絆もあります。カナダの2025年大阪・関西万博への参加は、多くの人々にカナダを紹介する展示、貿易やPRのイベント、文化的なパフォーマンスなどを通じて日加の経済、文化、人のつながりをより強くする機会となるでしょう。

学術交流

カナダは、人々の間の理解を深め、グローバルな市民とリーダーを育て、国々の発展に貢献する留学や学術研究パートナーシップを強く推進しています。

海外留学に関心を持つ様々な年代の日本の学生にとって、カナダは常に人気の高い留学先です。実際に、カナダで語学を学ぶ留学生を出身国別にみると、日本は常に上位を維持しています。また、「語学指導等を行う外国青年招致事業」(The Japan Exchange and Teaching Programme、JETプログラム)には、常時500名以上のカナダ人が参加し、日本各地の学校で英語を教えたり、自治体の業務に携わったりしています。カナダ人は長年にわたってこのプログラムを積極的に支援し、修了者は約1万人にのぼります。さらに、日加間で実施されているIECワーキングホリデー・プログラムも非常に人気が高く、何千人もの若者が互いの国に短期間滞在して、旅行や就労などを通じた交流の機会を得ています。

カナダでの勉学や研究を希望する日本の学生や博士課程を修了した研究者、また日本での修学や研究に関心を持つカナダ人向けに、複数の奨学金プログラムも設定されています。

詳細については、Studying abroad をご覧ください。  

貿易関係

カナダと日本の貿易・経済関係は着実に拡大しています。日本は2023年のGDPが5兆7000億カナダドルと世界第4位の経済大国であり、カナダにとって最も重要な経済とビジネスのパートナーのひとつです。2023年における日本からカナダへの直接投資残高は493億カナダドルに達し、インド太平洋地域で最大、世界第3位の投資国となっています。カナダで事業を展開する日本企業の子会社や関連会社は何万人ものカナダ人を雇用し、多くのコミュニティーを支えています。

一方、日本でもカナダ企業が活発に事業を展開し、自動車、情報通信技術、金融サービス、林産業を中心に、幅広い分野で重要な存在となっています。2023年におけるカナダから日本への直接投資残高は、41億カナダドルでした。また同年、日本はカナダにとって世界第4位の商品貿易相手国となりました。

2023年におけるカナダの日本向けの商品輸出総額は158億カナダドルで、これに対し日本からの輸入は207億カナダドルでした。2023年にカナダから日本への輸出高が大きかったのは、鉱物燃料、石油(石炭、液化プロパンガスなど)、鉱物(銅、鉄鉱石、ニッケル)、農産物(菜種種子、小麦、豚肉、牛肉、大豆など)、医薬品、林産物で、一方、日本からの輸入高が大きかったのは、自動車、機械・機器、科学・精密機器(主に医療用)でした。

カナダと日本は、「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)」の実施と拡大で密接に連携しています。CPTPPにより、農産物・加工食品、水産物、林産物、金属・鉱物製品など、カナダから日本への主要輸出品の大部分について関税が撤廃または軽減されます。両国は、効果的、開放的かつ包括的でルールに基づく貿易システムを守り、推進するため、WTOで緊密に協力しています。

関連リンク

カナダ・日本次官級経済協議

1976年に設立されたカナダ・日本次官級経済協議(Joint Economic Committee、JEC)は、両国間で定期的に行われる最高レベルの経済協議です。2016年、両国首脳は日加の経済的な結び付きを監督する重要な手段としてJECを活性化させることで合意しました。JECでは「5つの優先協力分野」(エネルギー、インフラストラクチャー、観光・青年交流、科学技術、ビジネス環境・投資促進)が合意されています。

二国間の連携と貿易のさらなる拡大を図るため、時機に応じて新たな優先分野が加えられています。2020年の協議では優先協力分野の科学技術に「イノベーション」が含められ、2021年には「農業」が6つ目の優先協力分野として新たに加えられました。

最近行われた協議

防衛・安全保障協力

カナダと日本は、自由で開かれたインド太平洋地域という共通のビジョンのもと、強固で発展的な安全保障と防衛関係を築いています。2010年、両国首脳はそれまでの協力関係に基づき、

政治・平和及び安全保障協力に関する日加共同宣言」に署名しました。その後もハイレベルの会談が定期的に行われ、平和および安全保障上の課題に対処する機運が持続しています。

カナダと日本は、地域の安定やルールに基づく国際秩序を阻害する一方的な行為に反対するなど、インド太平洋地域で法の支配を維持、推進するために緊密に協力しています。北朝鮮による海上での制裁逃れに対処する多国籍活動である太平洋海洋安全保障交流(PSMX)への両国の参加は、この協力の中核となるものです。カナダは、カナダ軍の「ネオン作戦」を通じて資産や人員をインド太平洋地域に配備することにより、この取組みに貢献しています。また、カナダ軍は日本の自衛隊との二国間および多国間共同訓練に定期的に参加しています。2019年には、カナダと日本が調印した「物品役務相互提供協定(ACSA)」が発効しました。この協定は、両国が作戦行動や演習の際に装備品および物品を相互に有効利用できるようにするものです。またカナダは、サイバー抑止、能力構築、国連で合意された「サイバー空間における責任ある国家の行動規範」の推進など、サイバーセキュリティ対策でも日本との協力拡大の機会を見出しています。

2022年11月に公表されたカナダのインド太平洋戦略では、特に安全保障と防衛の分野で日本とのつながりをさらに強化する姿勢が強調されました。これには日加間の情報保護協定の交渉が含まれています。2022年12月に策定された日本の最新の国家安全保障戦略でも、カナダを含む複数の国との安全保障協力を強化する意思が示されています。両国は、「自由で開かれたインド太平洋に資する日加アクションプラン」に盛り込まれた防衛と安全保障に関する活動に強い姿勢で取り組んでいます。

パートナーシップと国際機構

カナダと日本は、ルールに基づく多国間システムを共に支援し、今日の緊急性が高い世界規模の課題に効果的に対応するため、以下をはじめとする多国間フォーラムで緊密に連携しています:

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